網走バスの生いたち
昭和11年に網走の有志三氏により三共自動車株式会社が設立され、網走市街を中心として運行されていましたが、戦争の激化にともない、昭和18年、北見バス株式会社に戦時統合され、その後、網走市内路線は休止に追い込まれました。
昭和24年6月、網走商業組合理事他が、網走商工会議所に対しバス企業の設立について促進提案し、同時に北見バス株式会社の常務に対し、休止路線の復活を要請するとともに、将来、独立会社を設立し、網走市を中心とする免許路線の移譲並びに新規出願路線の免許に関する一切の協力を得る事について了承を得ました。ただし、当分の間は北見バス株式会社網走営業所として現免許路線の運行を開始することを約定しています。
昭和24年9月、網走営業所開設に当り、これに要する資金その他について、網走の有志の参画を得て、北見バス株式会社にバス2両の購入代として 100万円の供託をなすと同時に、網走~常呂間営業権の譲渡譲受が成立しました。
この間、諸々の接衝を重ねるとともに網走商業組合の代表者、並びに商業組合の指導援助を得て準備を着々と進め、昭和24年10月27日、北見バス株式会社より車輌2台を引取り網走まで回送し、3日間網走市内を無料サービスとして運行しました。事務所は網走商業組合の軒先に差しかけの事務所を作り、運転手は事務所に寝泊りしながら、11月1日をもって北見バス株式会社網走営業所として運行営業を開始しています。
■営業路線
網走市内線(甲) | 大曲三眺入口~網走駅 2.5km |
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網走市内線(乙) | 南4条東2丁目(五社屋前)~網走駅 1.8km |
古 樋 線 | 網走~古樋(現在浜小清水)21.1km |
美 幌 線 | 網走~美幌 28.7km |
小清水 線 | 古樋~小清水~札弦 24.0km |
斜 里 線 | 小清水18線~斜里 16.1km |
常 呂 線 | 大曲三眺入口~常呂 31.1km |
■営業キロ数
125.3km | 保有車輌 7両 |
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昭和26年5月に新車5両購入し、桜祭り協賛として市内を車輌パレードするなど事業強化を図っています。
■車種
- いすず自動車製1951年式 43人乗りロマンスシート 1両
- いすず自動車製1951年式 56人乗り三方シート 2両
- いすず自動車製1951年式 60人乗り三方シート 2両
昭和26年10月25日、譲渡人北見バス株式会社取締役社長と、譲受人網走バス株式会社設立発起人代表とによって、譲渡譲受契約が成立しました。
その後、昭和27年1月25日に、網走バス株式会社として設立登記が完了し、独立の芽ばえから2年有余、幾多の苦難を乗り越え、名実ともに完全独立会社「網走バス」が誕生しました。